九州の醤油は、なぜ旨味も甘味も強いのか?
皆様、醤油は、通常、何から出来ているかご存知でしょうか。答えは「大豆、小麦、食塩」の3つです。
これに加えて、九州地方の醤油は、独特の「旨味」と「甘味」を持っていることが特徴です。ところで、皆さん、この「旨味」と「甘味」の正体をご存知でしょうか?是非、ご自宅で使用されているお醤油のラベルを見て下さい。皆さんがお使いのお醤油が典型的な九州醤油であるとするならば、大体このような表示が存在しているはずです。
旨味の正体 | アミノ酸液、調味料(アミノ酸)or(アミノ酸等) |
甘味の正体 | 砂糖、甘草、ステビア、砂糖混合ぶどう糖果糖液糖、ぶどう糖 |
特に旨味のアミノ酸の表記は、味の素で有名な「グルタミン酸ナトリウム」です。
このような「添加物」の存在が、九州醤油の「旨味」と「甘味」を作り出しています。
「旨味」も「甘味」も、添加物ではなく、麹の力だけを使って作りたい。
ところが、百貨店の催事などでお客様とお話をしていると、多くの方が「添加物」の存在を嫌がっている、いわゆる「無添加」志向のニーズが高いことがわかりました。そこで、今回弊社では、この「旨味」と「甘味」を麹の力だけを使って作り出すことを目指して、研究開発を始めました。
弊社は、九州では珍しい「大豆麹」を製造
麹で「甘味」というと、米麹を利用することを皆さんも思いつかるかもしれません。しかしながら、「旨味」に関しては、どのように作ったら良いのかと考えていた所、一番近くに、その答えが存在しておりました。
弊社で製造している「ごんしゃん(もろみ)の製造方法には面白い特徴があります。実は、大豆麹を製造し、独特の旨味を作り出しています。実は、九州地方で、この大豆麹を製造する技術を長年洗練させてきた企業は、殆ど無いようです。
しかしながら、通常弊社で製造している、この大豆麹は、醤油用でもなく、また、「旨味」を最大限引き出すことを目的としているわけではありません。そのため、「新しい麹菌の選定」や「大豆麹の製造方法の確立」のために、科学的な分析が必要となるのですが、弊社ではそのノウハウを持ちあわせておりませんでした。
「官」福岡県工業技術センターとの出会い
そうこうしているうちに、「福岡県工業技術センター・生物食品研究所」の食品課の皆様に出会い、上記の悩みを打ち明けると、ご協力頂く運びとなりました。
一方、日本でも有数の醤油の専門家である「福岡県醤油醸造協同組合・野田義治専務」にも御相談した所、こちらも、ご快諾頂き、非常に強力な研究開発体制が整いました
「学」九州産業大学+九州造形短期大学との出会い
九州産業大学・経営学部・国際経営学科では、国際ビジネス演習「福岡県産醤油の消費拡大を目指した新たなPR方法・製品デザインの企画・提案」として、醤油に関する市場調査、新たな製品コンセプト・デザインの企画・検討等、様々な活動に取り組まれています。今回は、当該活動の1つとして、2014年度から、当該商品のPR方法の検討を行って頂きました。また、ラベルデザインに関しては、九州造形短期大学に、ご協力頂きました。
福岡県デザインアワードへ出品!
出来上がった商品は、こちら。
第16回福岡デザインアワードにて、見事「入賞」を果たしました。
本商品は、2015年5月から発売いたします。